『ソードフィッシュ』
こんなことをする人間は世の中に3種類しかいません。
狐が憑いた人か、野犬にかまれて狂犬病がうつった人か、プログラマだけです。
タイトル:『ソードフィッシュ』
監督:ドミニク・セナ
出演:ジョン・トラボルタ、ヒュー・ジャックマン、ハル・ベリー、ドン・チードル、ヴィニー・ジョーンズ
2001年、アメリカ
ジャンル:犯罪アクション
評価:★★★☆☆
冒頭、いきなり現在のハリウッド映画をけなし、「問題はリアリズムの欠如だ」とのたまうガブリエル(ジョン・トラボルタ)。
さらには『狼たちの午後』を持ちだし、本気で金がほしいのなら容赦なく人質を殺すはずだという。
いったい、何の話?と思ったら、これが銀行強盗真っ最中での会話。
しかも、現場は『狼たちの午後』そっくり(笑)。
トラボルタが銀行にもどると、代わりに別の強盗犯が人質同伴でおもてにでてきてマスコミにアピール。
と、ここまでは『狼たちの午後』だが、ここでいきなり警察がこの犯人を射殺。人質を強引に引っ張っていき大爆発(苦笑)。
いくら間抜けな警察でも、あんな後先考えない方法はとらないだろう。
ヤバそうな電波をブンブン出してるベストが目に入らないのか?
これがドミニク・セナ監督のリアリズムなんだろうか・・・。
と、ここで自分の間違いに気がついた。
冒頭のシーンは、「現在のハリウッド映画にはリアリズムがないけど、この映画は違うよ」といっているのではなく、「現在のハリウッド映画にはリアリズムはない。だから、この映画にもリアリズムはないよ♪」といっていたのだ。
要は、これからこの映画を観る人への注意書き。
「この映画はフィクションです。実在する個人・団体とは一切関係がありません」とか、「よい子のみんなはマネしちゃダメだよ」のテロップみたいなものだ。
だから、ガブリエルが「テロ国家」相手に戦争するとか、「(テロに対して) 10倍で返す」とか、「1人処刑されたら町を核攻撃する」とかいっても、ぜんぜん気にすることはない。
この映画はあくまでフィクションなんだから現実とは違う。
「1人の子供を殺してすべての病を根絶できるなら、(その子を)殺せるか? ・・・これぞ正義だ」とかいってるけど、トラボルタのカリスマに圧されてうなずいちゃわないように。
よい子のみんなはそんなことしちゃダメだぞ。
ストーリーについて言えば、スタンをガブリエルとジンジャーの「死」の証人とすることは最初からの計画のようだが、どこまでが偶然でどこまでが計算なんだか、さっぱりわからなかった。
たとえば、ジンジャーの場合、プログラムが正常に動いていればスタンはあのまま解放されてしまうので、ジンジャーの死を見せることができなくなってしまう。
その場合はどうするつもりだったのか。
だいたいDEAの捜査員をよそおう必要があったのかどうかも不明。
ガブリエルも、スタンがロケットランチャーで撃ち落されなかったら、どうするつもりだったのだろう?
まぁ、別の方法でヘリを落とす計画もちゃんと存在したんだろうが、ストーリーだけみると都合よくまとまっちゃってるからね・・・。
いや、リアリズムにこだわっちゃイケナイな(笑)。
こーんなにリアリズムには一切こだわらない映画だが、なぜかプログラマ・スタンの姿だけはものすごくリアル!(笑)
夜中にひとり端末の前にすわり、なんかブツブツいったり、ときどき叫んだり、おどったり笑ったりクルクル回ったりあっちいったりこっちいったり、むこうのほうでぼけーっとしてたと思ったら突然跳ねおきて机にむかったり・・・。
こんなことをする人間は世の中に3種類しかいません。
狐が憑いた人か、野犬にかまれて狂犬病がうつった人か、プログラマだけです。
しかも、現実は映画みたいに角砂糖が組みあがったり崩れたりするのが見えるわけではなく、プログラムと数値の羅列を前に一喜一憂してるんだから、傍からみてると何がなんだかさっぱりわからない。
これもまた、よい子はマネしてはいけません。
できれば、プログラマにならないこと!
不幸にもこの職業についてしまったとしても、朝9時から夕方5時までしか端末にはさわらない。
週末はスポーツなどで汗を流しましょう!!
最後に、一番印象に残ったセリフを。
ガブリエルを狙う殺し屋たちとの銃撃戦で、スポーツカーを動かせないと泣き言をいうスタンにガブリエルがひとこと。
"Learn!"=「学習しろ!」。
究極のOJT (On Job Training)だよ(笑)。
この部分だけは★×5個です。
ちなみに、冒頭のガブリエルの言葉によると、『狼たちの午後』より、『スカーフェイス』と『ゴッドファーザー』のほうがいいらしい。
両方とも未見だ。
観なければ。
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P.S.
ヴィニー・ジョーンズが単なる体のでかい取り巻き程度の役でしかなかったのがちょっと不満。
『スナッチ』のような怪演を期待したんだが。
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コメント
>プログラマ・スタンの姿だけはものすごくリアル!(笑)
もしや、albrechtさんも夜中に奇行を?
本来は夜型のクラッカーも、PCに触れる事ができない日々は、やる事がないから昼間っから腰にタオル一枚でゴルフなんですね(笑)
投稿: 哀生龍 | 2007.05.10 07:54
哀生龍様
>PCに触れる事ができない日々は、やる事がないから昼間っから腰にタオル一枚でゴルフなんですね(笑)
やっぱりPC抜きの生活って健康的でいいですよね!(爆)
でも、抜け出せないんですよね~。
PC中って、アル中やヤク中と同じくらいヤバいと思うんですけど・・・って、ちょっと前まではそういう論調の記事があったはずですが、最近は聞かなくなりましたね。世の中、PC中だらけで珍しくもなんともなくなったということですね!
投稿: albrecht | 2007.05.13 11:52